ファッション、広告、映画など、さまざまな分野を自由にクロスオーバーして、今もっとも注目を集める写真家・蜷川実花の、初の大規模な個展を全国巡回します。繰り返しテーマとして取り上げられてきた「花」「旅」「金魚」「人物」などの代表作をはじめ、美大在学中のセルフポートレイトなど初期の貴重な作品から、《Noir》と題された最新作まで、450点以上の作品によって、その全貌に迫ります。 フィルムにこだわり、色を一切編集しないで生み出される極彩色の作品は、視覚的な鮮やかさを超え、作家自身の視点を見る者に鮮烈に印象づけます。「とどめておけないものを写真で残す」ため、うつろいゆく生の一瞬の輝きを鋭敏にとらえ、この世のものではないような色彩で創出する作品世界を、美術評論家・松井みどり氏は「地上の花、天上の色」と表現しました(本展の副題は、松井氏の言葉から頂戴しました)。 肉眼で見える現実の一歩先に広がる永遠の一