自分の意思に反して便が漏れてしまう「便漏れ」(便失禁)。恥ずかしさから医者にかかる人が少なく、これまではあまり顧みられなかったが、ここにきて風向きが変わってきた。紙おむつ大手ユニ・チャーム(東京)は「成人の5人に1人に便漏れ経験がある」との調査結果を発表し、軽い便漏れに自分で対処できる専用パッドを初めて商品化、5月からネット販売を始めた。医療分野では3月に標準的な治療の進め方を定めた「便失禁診療ガイドライン」が出来上がり、治療法選択の幅も広がってきた。 「子どもを連れて外出しているとき、何度もトイレに行かないといけないのがつらかった」。福岡市の女性(34)は出産時に肛門を締める括約筋を損傷し、便漏れが始まった。便意を感じてからトイレまで我慢できず、外出すると落ち着かない。2人目を妊娠して症状が悪化し、病院で治療を受けることにしたという。 ユニ・チャームが2月、20~79歳の男女2万人を対象