石渡まず、イノという存在がバックヤードにバグとして誕生します。その後、イノと第一の男が接触したのですが、そのときに第一の男がイノから感情に相当するものを省いてしまったんです。 ――それは、イノが危険な存在だからでしょうか? 石渡そうです。イノは半分だけがカラッポの人間になるのですが、奇跡的な成長を遂げ、いまのような形になりました。イノから抜き取った感情というか“欲望”のようなものは、バックヤードにて管理されることになりました。その後、慈悲なき啓示が第一の男と対立するシチュエーションが生まれます。ですが、慈悲なき啓示はロボットのような存在なので、“ロボット三原則”的な“人間に害をなしてはいけない”というルールに縛られています。慈悲なき啓示は、そのルールをすり抜けるために、この欲望を第一の男に植え付けてしまったんです。 ――それはなぜなのでしょうか。 石渡第一の男は欲望を植え付けられたことで、