妖怪を扱った和本を手に魅力を語る纐纈くりさん =いずれも2日、千代田区 「大屋書房」の店内には和本が所せましと並ぶ 数多(あまた)の古書店が軒を連ね、世界屈指の本の街として知られる神田・神保町。その中でも、1世紀超の歴史がある老舗、大屋書房は、江戸時代の和とじ本(和本)や浮世絵、古地図のコレクションで知られ、国内外の研究者や博物館関係者らが足しげく通う。代々店主には書物や紙への強い思いが受け継がれる。 「手に取って」駿河台下交差点に面した店内には、和本の数々がうずたかく積み上がる。背表紙がないため、前垂れのような紙に記された書籍名を参考に店内を物色する。中国思想の古典、四書五経の1つ『書経』の解説書があると思えば、豆腐料理レシピを集めた『豆腐百珍』が目に入り、「弥次喜多道中」で知られる滑稽本『東海道中膝栗毛』も。取り扱うジャンルは多種多様だ。 「気にせず、手に取ってもらっていいですよ」 気