『戦う司書』に登場するノロティ=マルチェは「世界は私のものなんです」と断言するキャラクターだった。はじめはいったい何を指して自分のものと言い切るのか漠然としか掴めなかったが、「どこかで誰かが幸せになったら全部あたしのものなんです。そんなに凄いことは他にない」という根拠を聞いて唸った。それは本当に凄い思考の飛躍だ。悲しみや暗い世界があっても愛していける。幸せにするために行動する。魅力的なキャラクター揃いの『戦う司書』でひときわ異彩を放つ存在。彼女よりも強いキャラクターはたくさん居る。けれど、ノロティほど壮大で飛躍した愛を持ったキャラクターは居ない。最も優しく、最も大きな愛情を持つ、最優と最愛の融合体のようなノロティは「憧れ」。手を伸ばしても届きようがない、見上げる存在だと思っていた。そんな「憧れ」を紐解くために、かれこれ十数年ぶりに『ネバーエンディングストーリー』を鑑賞。『戦う司書』に出てく