長崎県立壱岐高校(壱岐市)で平成16年、柔道部の練習で背負い投げされ頭を強打、脳などに重い障害を負ったのは学校側が注意義務を怠ったためだとして、生徒の男性(21)と両親=壱岐市=が長崎県に計約7280万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、長崎地裁は18日、請求を棄却した。 判決理由で須田啓之裁判長は、男性は当時、練習で自由に技をかけ合う「乱取り」に必要な受け身を一定程度習得していたとして「教諭がそばで注視したり、練習するべき義務があったとは言えない」と指摘。男性側は「初心者への安全配慮に欠けていた」と主張したが、須田裁判長は「練習をこなしており、上級生の相手をするのに必要な技能があったと判断したことに安全配慮義務違反はなかった」と述べた。 男性は、高次脳機能障害や言語障害が残り、現在も常時介護が必要で、同校を休学している。