プチ・トリアノン宮殿 夫王から「宮殿」のプレゼント 即位からしばらくして、20歳のフランス国王ルイ16世は、19歳の王妃マリー・アントワネットに、プレゼントをあげます。 それは、ひとつの「宮殿」。 プチ・トリアノンです。 ただ、宮殿といっても、大きさはそれほど豪壮なものではなく、8つの居室にダイニングルーム、大小の客間、寝室に浴室、そして小さな図書室といった間取りで、現代のセレブでも持っているような「豪邸」といった規模です。 もともとは、先代のルイ15世が公妾ポンパドゥール夫人のために建設し始めましたが、完成前に夫人は逝去してしまい、新たに愛妾となったデュ・バリー夫人に与えられました。 居住のための宮殿というよりは、王が愛人との情事を楽しむために作られた、ラブホテルのような施設でした。 例えば、食事の際に召使いを遠ざけるため、地下の台所から、セッティングされたテーブルがそのままダイニングル