高性能レーザースキャナーを駆使し、5度間隔で並んでいる18本の線が見つかった。船乗りたちはこれで太陽の高度を調べ、船の緯度を割り出した。(PHOTOGRAPH BY WMG, UNIVERSITY OF WARWICK) 「線はとても薄く、表面は損傷しているため、肉眼ではほとんど見えません」と、ウィリアムズ氏は説明する。「3Dデータの解像度が高いおかげで、線が入っていることがわかりました」(参考記事:「古代ローマの「ハム」形携帯時計、3D技術で検証」) アストロラーベの線は、角度を測るために用いられる。人間の文明のなかでも最も高度な古代道具のひとつで、現代のような技術が発達する以前は広く普及したと考えられている。古代の天文学者は、アストロラーベを水平線に対して垂直にすることで、天体の高度を測定したり、時間や位置を計算できた。 初期の航海者が使っていたアストロラーベは、しばしば航海用アストロ