本稿はネッド・ブロックの著書Consciousness, Function, and Representation: Collected Papers, Volume 1(Cambridge, Massachusetts: MIT Press, 2007)の書評である。 ブロックは、過去およそ30年の間、心の哲学(とくに意識とクオリアをめぐる哲学的探求)において多くの成果を生み出してきた。彼は、一貫していわゆる「クオリア実在論」と「タイプ物理主義」を支持し、多くの唯物論者が与する機能主義と表象主義に対してさまざまな反論を提示してきた。加えて彼は自らの主張を経験科学の知見で支持するための理論的枠組みも築いてきた。そして彼は現在も意識研究の最前線を開拓し続けており、精力的に新たなアイデアを発信し続けている。 本稿は彼の最新の論文集Consciousness, Function, and R