編集者でライターの都築響一さんにこんなタイトルの本がある。 『だれも買わない本は、だれかが買わなきゃならないんだ』(晶文社、2008) 内容は書評と、本や書店に関するエッセイなのだが、とりあえずそれは置いといてこのタイトルがすばらしい。 すばらしいのでもう一度言おう。 だれも買わない本は、だれかが買わなきゃならないんだ。 本屋に行くと、無数と言ってもいいくらいの本が並んでいる。しかし、当然ながら、すべての本が等しく売れるわけではない。 ベストセラーとして華々しく平台に積まれている本がある一方、目立たずにずっと棚に差されている本もある。いや、そういう本がほとんどだと言っていい。 売れなかった本はどうなるか。 たいていの新刊書店は委託販売の形をとっているので、一定期間売れない本は出版社に「返本」されて倉庫などに保管される。しかしそれもずっと置いておくわけにはいかないので、やがては処分されてしま