私の旅の持ち物に、ノートは欠かせないものである。 初めて旅のノートを作ったのは小学校三年生のときだった。父に連れられ、初めて夜行列車に乗ったときのことである。その旅の途上で父に「旅先で思ったことを書き留めるようにしなさい」と言われ、感想をノートに書き始めたのが最初であった。 それが旅に出ると旅日記を綴るようになったきっかけでもあった。 以来、旅に出る前には必ずノートを用意するようになった。事前に乗る列車の時刻表を手書きで作ったこともあった。特急列車に乗るのに、通過する駅までご丁寧にすべて書き込んだこともあった。それだけ旅の行程が楽しみだったのだろう。 やがて、旅程表や乗る列車の時刻などはワープロやパソコンで作るようになり、プリントアウトして持って行くようになったが、旅先での感想のメモにノートは欠かせなかった。また、一人旅をするようになると、旅先で使ったお金もすべてノートに記録するようになっ