事故などで子どもが倒れて心肺停止となっても、そこに居合わせた人が蘇生術を試みることで、社会復帰の確率が2.59倍高まることが、わかった。総務省消防庁のデータを石見拓・京都大助教らの研究チームが解析した。一般の人による蘇生が子どもにも有効だと示せたのは、世界でも初めてという。 主な蘇生術には胸を押して血液を脳に送る胸骨圧迫(心臓マッサージ)と人工呼吸の二つがある。子どもでは大人と違って、胸骨圧迫だけよりも、人工呼吸を併せた方がいいこともわかった。 2005年1月〜07年12月、病院外で心肺停止になった17歳以下の5千人以上の例を検討。倒れた場所で、居合わせた人から心肺蘇生を受けたのは2439人。1カ月後、後遺症をほとんど残さず学校などに復帰できたのは110人だった。 蘇生を受けなかった2719人では同53人。病院到着までの時間といった要因を考慮すると、蘇生がある場合の復帰率は2.59倍