ブックマーク / dain.cocolog-nifty.com (10)

  • 「マンガの創り方」はスゴ本

    『マンガの創り方』は、語り手のためのバイブル。 ストーリーマンガ、特に短編を中心に解説しているが、マンガに限らない。小説やシナリオなど、あらゆるストーリーメーカーにとって有用だ。なぜなら、読者や観客といった「受け手」を楽しませるための秘訣があますところなく明かされているから。 いわゆる、「マンガ入門」ではない。ネーム作ったら下書きしてペン入れして…といったイロハではなく、「ストーリーの作り方」「ネームの作り方」に限定している。だから、書の技術を習得することで、次のことが根源から分かる・使える。 面白いストーリーとは何か、どうすれば「面白く」なるのか 良い演出とは何か、どうやって身につければよいか 素晴らしいクライマックスにするために、どうすればよいか 何を面白い/良いと感じるかなんて、人それぞれ。だからそんなテクニックなんて無い――そんな意見もある。あるいは、先天的なセンスの問題だから

    「マンガの創り方」はスゴ本
  • 「本の未来をつくる仕事/仕事の未来をつくる本」がスゴい

    一冊のうちの、どちらもスゴ。 「どちらも」という言い方をしたのには、ワケがある。 なぜなら、書は右開きにも左開きにもなる、両面仕立てなのだ。右開きのタテ書き側は、「の未来をつくる仕事」というタイトルで、ブック・コーディネーターとして手がけたプロジェクトが紹介されている。左開きの横書きサイドでは、「仕事の未来をつくる」という題名で、会社を辞めてから今に至るまでの仕事のノウハウを抽出し、同世代向けへのメッセージにしている。レコードならA面B面なのだろうが、書はどちらも「A面」であるところがミソ。 「の未来をつくる仕事」 ≡ 「仕事の未来をつくる」 という書そのものが、昨今の書籍の流通・販売についての問題提起と解決事例となっているところがスゴい。「一冊で二度おいしい」というよりも、むしろ「一冊で二倍うまい」というべき。 ■ の未来をつくる仕事 まずは、「の未来をつくる仕事」。

    「本の未来をつくる仕事/仕事の未来をつくる本」がスゴい
  • わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: 死を忘れないための3冊+

    いずれ死ぬときを思い浮かべて、いまを生きる。これがむずかしい。 「死を忘れるな」と思い刻んだつもりでも、毎日に追われていると、この日が尽きることを忘れる。は買っただけで満足し、欲しいモノを追い求め、毎日あくせくしている割には充実からは遠い。いつか来る「死」からは目を背ける――わたしのことだ。 "Memento mori" は、「死を忘れるなかれ」と訳されるが、LifeHack的に言い代えるなら、「未来の死を思い起こす仕組みをつくり、定期的にくりかえせ」だね。そんな場合に効いてくる映画をご紹介。余命を自覚した人からのメッセージは、文字通り最後のレッスンとなる。定期的にこのレッスンを受けることで、自分の死を、翻っては生を意識することができる。 1時限目 「最後の授業 ぼくの命があるうちに」 2時限目 「モリー先生との火曜日」 3時限目 「冷蔵庫のうえの人生」 課外授業 「死ぬまでにしたい

    わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: 死を忘れないための3冊+
  • 「プロジェクト・ブック」はスゴ本

    建築デザイナー向けだが、システム屋のわたしにも効果大のスゴ書は、建築タイポロジーの解説ではないし、建築デザイン・テクニック集でもない。仮に書が建築デザインについての形式論・類型論だったなら、わたしにとって、何の役にも立たないだろう。 しかし、デザイナーとしての才能やテクニックに関係なく、つくるキモチに焦点を当てている。たとえば、場のつくりかた、発意の仕方、他者との共有方法を理解することで、どういう瞬間にプロジェクトが「まわって」いるかを感じとれる。いちいち具体的で、かつ、そのままITプロジェクトにハマる。 デザインプロジェクトに効く63のキーワードと、現場の会話ログを追いかけるうちに、プロジェクトを「まわす」のに建築もシステムも大差なく見えてくる。つくる「モノ」は違えども、つくる「コト」は同じなのだから。 ■1 場所をつくる 大きなテーブル、広い壁、ライブラリー、気持ちのいい椅子

    「プロジェクト・ブック」はスゴ本
    susatadahiro
    susatadahiro 2007/12/10
    あとで再読
  • イノベーションの神話10

    見えてる穴に落ちていたことに気づかされる一冊。 革新的なアイディアは、どこからか「ふってくる」と考えている人は、けっこういる。わたしもその一人で、アイディア出しの手法・ツールを準備すれば、あとはインスピレーションの女神が降りてくるのを待つだけと考えていた…そして、今も待ちつづけている。 あるいは、天才肌のカリスマが全く新しいアイディアで世界を変えてしまうことを、「イノベーション」だと考えている人は、かなりいる。わたしもそう思ってた、iPod の「新しさは」ジョブズだから生まれたんだと、ね。 書を読んで、わたしの思い込みは粉砕された。もちろん、エジソンが電球を発明したわけじゃないことや、Google の最初のアイディアはYahooで却下されてたことは知っていた。が、知っていたにもかかわらず、わかっていなかった。著者はそれを、イノベーションの神話と呼ぶ。そして、 イノベーションにまつわる神話

    イノベーションの神話10
  • わたしの7つの「ふりかえり」

    [チームリーダーは「アジャイルレトロスペクティブズ」から盗め]の続き。わたしの「ふりかえり」をふりかえってみる。 ■01 定期的に、ふりかえる 実は、定期的なふりかえりは、したことがない。たいていは、プロジェクト終了直後や、さらにずっと後になって、「あんな時代もあったね」と語ることはあっても。ただし、「笑って話せる日」は絶対こない。笑わず小声で真剣に「あの二の舞だよ」、あるいは「まだ学習してへんのかッ」と刺す。 そういうチーム運営を定期的にふりかえる必要性に気づいただけでも、書に感謝しないと。 まずいチーム運営は、トラブルという見えやすい形でフィードバックをもらっていた。メンバーの不満や、作業プロセスのボトルネック、品質チェックの不備は、プログラマの喧嘩や明白なサボタージュ、収拾のつかないバグズライフに化す。 そして、「トラブルの対処」という形で皆の不満を吸い上げたり、手順書を見直したり

    わたしの7つの「ふりかえり」
  • わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: 見えない仕事がイノベーションを起こす「シャドーワーク」

    「シャドーワーク」について、豊富な実践例+網羅的な考察をした一冊。ヒット商品やイノベーションの陰には「シャドーワーク」が必ず存在する。ルーティーンワークからの変革なんてありえないし、創造的な価値は管理者の目の届かないところから生まれる。これはわたしのような兵隊ではなく、人事部の将校クラスが肝に命じておくべき。 「シャドーワーク」とは、通常業務から外れた、個人の自主的な意志と裁量で創造的に編み出した仕事のこと。仕事そのものへ結びつかないまでにしても、その準備活動も含まれる。いわゆる「やってみなはれ」「渦は自分で起こせ」というやつ。 たとえば、日産の例。新型マーチのコンセプトづくりにあたり、設計開発ラインの「外」で「こっそり」人を集め、意見を出し合う。あるいは、リコーの場合。GR DIGITALの専用Blogを提供するにあたり、「業務外で」「手弁当で」組織横断的に立ち上げる。仕事として「決まっ

    わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: 見えない仕事がイノベーションを起こす「シャドーワーク」
  • わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: チームリーダーは「アジャイルレトロスペクティブズ」から盗め

    「なんで、こんな非効率なやり方なんだ?」この疑問、よくあるどころか毎日だ。 たとえば、情報がうまく共有されていないとか、ある人がボトルネックになっているとか。不平を言うと「じゃぁオマエがやれ」と押し付けられるので、最近では不言実行で最適化を図っている[参考]。 あるいは、評論家になっていっぱしのクチをきくが、現場を変える努力も勇気もないくせにブログで薀蓄たれ流す。ネット弁慶カッコワルイ(誰とはいわんが、わたしも含まれるので自戒)。 たしかに、「前と同じやり方」で仕事は回るが、「やり方」が改善されないまま。成果物はレビューされるが、仕事のプロセスはレビューされない。かくして非効率性は引き継がれ、不満は澱のように溜まってゆく。 こいつをなんとかする試みが、「アジャイルレトロスペクティブズ」。舌噛みそうな名前で、サブタイトルの「『ふりかえり』の手引き」というほうがピッタリだね。 つまり、プロジェ

    わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: チームリーダーは「アジャイルレトロスペクティブズ」から盗め
  • わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: 名著!「デッドライン」

    長くなりすぎたこのエントリのレジュメ …というか、見出しの一覧。これ見てご興味ある方はお読み下さいませ。 マネジメントの4つの質 マネジメントおける簡潔で痛切なエッセンス(一部) 設計とデバッグに関する恐ろしい事実 残業と生産性とプレッシャーに関する恐ろしい事実 生産性の測定について 管理者の怒りについて 会議を効率よく行うための、たったひとつの冴えたやりかた 大事なことが、ずばり書いてある。背中を押したのは「ソフトウェア開発の名著を読む」なんだけど、確かに名著だ。初読は物語を楽しみ、再読、再々読で血肉にすべきだな。 延ばし延ばしにしてた一冊を読み始めて「どうして今まで読まなかったんだあぁぁっ」と叫びだすような逸品がある。書がまさにそう。デマルコは「ピープルウェア」がピカイチと決め付けてた自分が恥ずかしい。 「ピープル」がプログラマ・チームリーダーの視点で書いているが、「デッドライン」

    わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: 名著!「デッドライン」
  • わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: 修羅場シミュレーション「間違いだらけのシステム開発」

    燃えるプロジェクトに投下され、火消し&延焼抑止に奔走し、落ち着いたころに引き抜かれ、次へ… そのたびに、心労で胃痛になるか、ストレスいで太るか。 失敗プロジェクトなら、必ず現場がゾンビ化するとは限らない。腐敗は脳(上層部)から始まり、皮膚の内側(見えないところ)で進行する ←これかなり重要 たとえば、問題なくリリースまで至るが、一銭たりとも支払われなかったとき。次 ver.で費用は見てやるからさ、それまでにこの要件を「追加」として扱わないで作ってよ… というパターン。承諾しないPMは疎まれ、事情を知ったメンバーは総替え(あるいは脱出)する。そして、次の人にお鉢がまわってくる―― いっさいの事情を聞かされずに、警告すらされないまま。さあ、修羅場のはじまりだ … …なんてね、知人の話だよ(棒読み)。 「間違いだらけのシステム開発」では、そんな笑えない知人の話がたくさんある。どいつもこいつも生

    わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: 修羅場シミュレーション「間違いだらけのシステム開発」
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