これで政治不信に歯止めがかかるかといえば、そうではない。正確に言えば、マスコミによる「政治とカネ」問題の追及は続くに違いない。 その背景には、マスコミが抱く「幻想」があるのではないか。 「政治とカネ、自民が野党に『ゼロ回答』」。 これは、東京新聞のウェブサイトに掲載されているニュースの見出しである。毎日のように「政治とカネ」が報じられるたびに、政治の世界はカネに塗れている、とか、政治家はカネに汚い人たちだ、といった印象が強められていく。自民党の派閥の裏金事件は、「第二のリクルート事件」と日本共産党の小池晃書記局長が呼ぶなど、野党にとっては格好の追及ネタとして使われ続けている。 なぜ「政治とカネ」が盛り上がるのか アゴラ研究所の池田信夫氏が指摘するように、「リクルート事件も刑事事件としては大したことがなかったが、(中略)まさに日本の政治を大きくゆるがした」のであり、今回の事件によって、「岸田