悲劇は中国に舞台を移し、繰り返された。河北省の万里の長城付近で日本人旅行客が吹雪で遭難し、3人が死亡した。 ツアーを主催した東京の旅行会社「アミューズトラベル」は、平成21年に北海道・トムラウシ山で登山客ら8人が凍死したツアーを企画していた。反省はまったく生かされなかったことになる。 参加者の人命を預かる旅行会社のあり方や、観光庁の指導が十分だったのかなど、悲惨な事故を繰り返さないための検証を徹底する必要がある。 亡くなった3人を含む4人が参加したのは、7日間かけて万里の長城をめぐるツアーだった。6日目の3日夜に52年ぶりという大雪に見舞われ、遭難した。 アミューズ社は現地を下見したこともなく、天候や旅程強行の判断を中国人の添乗員と現地ガイドに任せきりにし、定時連絡も行っていなかった。携帯電話に頼った遭難後の現地との連絡もおぼつかない状況が続いた。 トムラウシ山の事故でも悪天候の中でツアー