中国共産党は、1979年から30年余り続けてきた「一人っ子政策」の廃止を決めた。 中国では経済成長を支えてきた労働人口の減少と少子高齢化が急速に進み、このままでは将来、社会そのものを支え切れなくなる。 政策転換は、習近平政権が中長期の経済展望に強い危機感を抱いていることを表している。 根本には、共産党の独裁下で市場経済を追求し、その矛盾から生じる国民の不満を力で抑えつけていることがある。いびつな国のありようが限界を迎えたことを示しているのではないのか。 経済だけではなく、社会制度の再構築も課題である。13億4千万人を抱える中国社会が将来、より深刻な危機に陥れば、国際社会にとっても大きな不安定要因となることは言うまでもない。 今年9月にトルコで開かれた20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議で、麻生太郎財務相が中国に、人口減少に対応した社会保障制度の構築など、構造改革を求めたのは当然