【レビュー】ベアトリス・ホイザー『クラウゼヴィッツ早分かり』(Beatrice Heuser, Reading Clausewitz, 2002) 蔵原大 ――――――――――――――――――――――――――――― 今回は、クラウゼヴィッツ『戦争論』の解説書として有名な、2002年に出た本を紹介します。 ゲームや小説ではよくあって現実にはあんまりあって欲しくないこと「戦争」はどうしてどんな風に起きるのでしょうか。大雪や台風とは違って人間が引き起こす現象「戦争」のメカニズムを読み解くことは、(現実の政治家や軍人の方々はもちろん)娯楽のゲームや小説を作る方々にとっても有意義なはずです。その知識を応用して物語を現実っぽくできれば、読み手をその話にグッと引き込むことができますからね。 そう考えますと参考になりそうなのが、まさにクラウゼヴィッツの『戦争論』(Vom Krieg)。政治と戦争との関連を