論文紹介#19 幼若期の異常な視覚経験による視覚機能の低下を弱視と呼びます。人口のうち3%程度の割合で弱視患者がいると推計されています(Webber and Wood, 2005)。結構多いですね。弱視になると、その影響は一生涯続きます。この弱視の仕組みについては、幼若期にモデル動物の片目を一定期間とじておく(片眼遮蔽)ことで、閉じておいた方の眼の視力が低下する(眼優位可塑性)という実験系を用いて研究されてきました。Torsten N. Wiesel博士とDavid H. Hubel博士はこの研究を含む一連の視覚系の情報処理に関する発見("for their discoveries concerning information processing in the visual system")により1981年にノーベル医学生理学賞(The Nobel Prize in Physiology