ハヌマンラングールの事例で知られることとなった子殺しにゃんが、実はチンパンジーもやっていますにゃ。立花隆「サル学の現在」(「現在」といっても出版は1991年、文庫版も絶版)でこのあたりの事情を読んだ時にはちょいたまげましたにゃ。 この本は、サル学の第一線研究者に立花がインタビューしてまとめていくという形で、平凡社の「アニマ」に連載されたものを書籍化した700頁あまりの大著ですにゃ。この本で、ハヌマンラングール、チンパンジー、ゴリラの子殺しについての研究に触れられておりますにゃ。ここから、鈴木晃氏が研究者として最初にチンプの子殺しを目撃した様子をインタビューで語っているところを、抜き書きしつつ引用しますにゃ。 「その日、いつになく激しいチンパンジーの鳴き声が聞こえるので行ってみると、ロポカ(集団の1位♂、引用者注)が赤ん坊のチンパンジーを一頭逆さ吊りにわしづかみしていたんです。その赤ん坊は右