離島など遠くからわざわざ裁判所まで足を運んだのに、裁判員に選ばれなかった市民から、選び方への疑問の声が出ている。裁判所は「柔軟に辞退を認める」方針で臨んでいるというが、実際にはその方針が候補者に伝わらなかったケースも出ている。 鹿児島県屋久島町の看護師の女性(25)は11月18日、熊本地裁での裁判員の選任手続きに出席した。3月まで熊本市に住んでいたため、同地裁の候補者になっていた。裁判の日程に合わせて4日間の休暇をとり、前日に高速船と新幹線で約4時間かけて来たが、結局選ばれなかった。 女性の説明によると、9月に呼び出し状が届いた際、地裁に「辞退できますか」と問い合わせた。しかし地裁は「どうですかね」「交通費は出します」とあいまいな言い方で、辞退を認める回答はなかったという。女性は「来ないといけないと思った。基準を明確に説明してほしかった」と話した。 法令によれば、「住所が裁判所の管轄