サステナブルな経営には、トレードオフ(相反)を伴う活動がカギになる。この点において星野佳路代表が重視する一つがフラットな組織文化だ。スタッフの発案によって施設の魅力を高めることが競合との違いを生む。 私は米国の経営学者、マイケル・ポーター氏の競争戦略を参考にしてきました。ポーター氏によると、企業活動が模倣されるのは、競合に対してトレードオフ(相反)を伴う活動を取っていないためだと説明しています。トレードオフとは「一方を追求すれば他方を犠牲にせざるを得ない関係」のことを示し、コモディティー(汎用品)化を抜け出すためには欠かせないと考えています。 星野リゾートでは組織文化を重視していますが、これも実は重要なトレードオフの活動です。この組織文化が、各施設で新しい魅力をつくり出す力に必要な要素の一つです。フラットな組織文化の重要性は、米国の経営学者、ケン・ブランチャード氏の著書などを通じて学びまし