さて、カーボベルデである。映画界においてはペドロ・コスタの作品でカーボベルデが舞台になったり、カーボベルデ移民が主人公になるなどしているので、そこからこの国を知った人も多いかもしれない。最近では「クレオの夏休み」というフランス映画で、カーボベルデが舞台になっていたりもした。だがその多くが外部の人間によってカーボベルデが描かれるというものになっている。ということで今回紹介する映画は、それらとは異なるカーボベルデの血を引く映画作家によるカーボベルデ映画であるDenise Fernandesのデビュー長編“Hanami”を紹介していこう。 今作の主人公はナナという少女(Sanaya Andrade)だ。ナナには、母であるニア(Daílma Mendes)は彼女を産んだ直後に故郷を捨ててしまったという過去がある。それからは父の家族に育てられていたのだったが、彼らのおかげでナナは健やかに成長していく