「人類初だぞ! 世界が変わるぞ!」――大学教授のこの言葉に増永さんは衝撃を受けた。初めてインターネットに触れ、メールについての説明を受けていたときだった。「地球の裏側まで瞬時にメールが届くんだ。こんなことは人類始まって以来だぞ」。確かに世界が変わるかもしれない。そう確信した増永さんは一気にインターネットの世界にのめりこんでいった。 そのころから毎晩大学の計算室にいってWebページを作るようになった。広島出身だった増永さんは自作したWebページのタイトルを「わしのページ」、略して「わしペー」と名付けた。1996年当時、個人が作るWebページは稀だったため、雑誌にもとりあげられたことがあったという。 「ちょうど深夜のラジオ番組のようなサイトでしたね」(増永さん)。最初は思いついた小ネタをアップしていくだけのサイトだったが、すぐに全国から投稿が寄せられるようになった。個人で作ったものでも見知らぬ