主要7カ国(G7)が人工知能(AI)の課題を点検し、国際ルールの形成に向けた議論を始める。安心して利用できる仕組み作りを急がなければならない。 広島で開かれたG7首脳会議(サミット)で、「信頼できるAI」の実現に向けた考え方を年内まとめることで一致した。事業者や政府の役割と責任を明確にすることが不可欠だ。 偽情報による世論誘導や個人情報の流出といった懸念はかねて指摘されていた。最近は文章や画像を生成する機能が劇的に進化し、アーティストが著作権侵害などのリスクに不安を訴えている。 開発や利用が無秩序に進むことへの警戒感は強い。自動車の運転に交通規則が必要なように、AIにも適切なルールがあるべきだ。 経済協力開発機構(OECD)理事会は2019年にまとめた勧告で、AIが民主主義のあり方や労働市場などに広く影響を及ぼすと指摘した。透明性の確保や情報開示が必要だ。 主要国はこうした理念や原則で一致