7月17日午後、東京都港区のグランドプリンスホテル新高輪の宴会場「飛天」。約1000人の聴衆でびっしりと埋め尽くされた客席に向けて、楽天の三木谷浩史会長兼社長はとうとうと語りかけた。ステージには「Rakuten EXPO 2018」の文字。インターネット通販サービス「楽天市場」の方針説明会として開催しているイベントだ。客席を埋めていたのは、楽天市場に出店している企業の関係者たちだ。 自社によるサービスで多くの品目を扱う米アマゾン・ドット・コムとは異なり、楽天市場は外部の小売業者に多く出店してもらい品ぞろえを充実させるショッピングモール型の通販サイトだ。楽天にとって出店者は“同志”のような存在と言える。三木谷社長が決断した携帯電話事業の免許を取得した狙いを、その同志に初めて直接説明する。これが今年のハイライトの一つだった。 昨年末、携帯電話事業に新規参入すると突如表明した楽天。2019年10