食後の余韻を楽しむサラリーマンで溢れかえる午後1時の喫茶店。恐らく有線だろうか、会話の邪魔にならないようにポップソングをクラシックにアレンジした音楽がかかっている。 あるBGMで私は吹き出してしまった。ドレミの歌だったのである。ドレミの歌のクラシックバージョンと言えばいいだろうか。サラリーマンたちは別段気付いているような雰囲気でもなく、1人ドレミの歌が流れてきたことがツボにはまった。なんでこんなオッサンだらけの場所にドレミの歌がかかってるんだろう。これ、実はみんなちゃんと歌える歌だよね~。すぐ隣で咥え煙草にスポーツ新聞のエロ記事読んでるあのオッサンだって、子供の頃は授業で歌ってたはずだよ。ほら、みんな一斉に立ち上がって声を合わせて歌ってごらんなさいよ。「さんはいっ!ド~はドーナツーのド~」って。私、コーラスの指揮してあげる!と、バカバカしい妄想にしばしニヤけてしまったところで、気を取り直す