アニメビジネスの今 今や老若男女を問わず、愛されるようになったアニメーション。「日本のアニメーションは世界にも受け入れられている」と言われることもあるが、ビジネスとして健全な成功を収められている作品は決して多くない。この連載では現在のアニメビジネスについてデータをもとに分析し、持続可能なあるべき姿を探っていく。 遅ればせながら、2011年のアニメ産業界の数値がようやく確定した。これは筆者が座長を務めている日本動画協会データベースワーキングで毎年発刊している「アニメ産業レポート」からのものであるが、公知のデータのほか、アンケートによってアニメ製作・制作を行っている元請企業からの直接情報を得て作っている。 今回はこの「アニメ産業レポート2012」のデータから見えてくるアニメ業界の情勢について言及してみたい。 東日本大震災にもかかわらず回復した業績 アニメ産業界に関わらず、2011年最大のトピッ