久しぶりに安倍昭恵さんがニュースになっていた。東京都が花見自粛を求める中、有名人たちと私的「桜を見る会」を開催していたというのだ。確かに記事の写真を見る限り、艶やかな桜を背景に、笑顔の男女が並んでいる。 【写真】ドレスコード違反?安倍昭恵のミニドレス姿 「こんな時に自由すぎる」「立場をわきまえろ」といった批判が殺到したのだが、僕は少しほっとしてしまった。なぜなら「こんな時」にも昭恵さんがいつも通りだったからだ。 マーセル・セローの『極北』(中公文庫)という小説にこんな一節がある。「まわりのすべてが崩壊してしまったとき、人をまっすぐ立たせておいてくれるのは、決まった習慣だ」。 村上春樹さんが翻訳したことでも話題を集めた物語だが、舞台は近未来の極北地域。文明から離れた荒廃した街で主人公は暮らしている。しかし「絶望に呑み込まれてしまう」のを避けるため、無駄とも思える日々の習慣を大切にしているとい