・世界の知で創る―日産のグローバル共創戦略 グローバルな共創とはなにかを日産の海外R&Dセンターの事例で分析した本。ナレッジマネジメントの大家 野中 郁次郎氏と、人事戦略の専門家 徳岡 晃一郎氏による。日米欧における100人を超える関係者への取材を通してわかるグローバルビジネスチームの作り方。 日産が米国に研究開発の拠点を置いたとき、日本人とアメリカ人は仕事の進め方に大きな違いを発見した。「アメリカでは10人で一個の部品を担当するのが当たり前だったのに、日産では一人で10個の部品を担当している」という事実である。それは役割や責任の分担がまったく違うことに起因していた。 「一方、日本の会社では、どこをどう定義してよいかわからないぐらい、個々人の仕事の範囲や役割が入り組み、曖昧になっていることが多い。日産の開発部門も同様だ。アメリカ流が野球なら、日本流はサッカーのようなものである。それぞれのポ