2022年4月からセミリタイア生活に入り時間が出来ましたので、蔵書の小説を読み直しております。 今回は早見和真「イノセント・デイズ」。 2014年発表作品。 日本推理作家協会賞受賞作。 イノセント・デイズ(新潮文庫) 作者:早見和真 新潮社 Amazon 早見和真は1977年生まれで自分とは同世代の作家さん。 本作は、元恋人の家に放火してその妻及び1歳の双子を殺めた罪により死刑宣告された女性の生涯を描いたものとなっています。 彼女に関わった人々の追想により浮かび上がる事実は、死刑判決を下した裁判で認定されたものとは明らかに異なっており、彼女に対して形成されてしまった世論は虚像であることが判明して行きます。 果たして彼女は本当に凶行に及んだのか、死刑判決をあっさりと受け入れているのは何故なのかと言ったミステリー要素を含みながら、物語は死刑執行の時が迫る緊張感を持って突き進みます。 タイトルの