日本事務器(NJC)の社長に、この6月に就任したばかりの田中社長。同社は2002年、分野ごとにビジネスユニット(事業部制)を導入し、従来からビジネス手法を大きく変えてきた。医療機関向けの電子カルテシリーズの導入で名を馳せた同社だが、民間企業向けは「業界」にまで絞り込んだ営業戦略を展開中。田中社長に、戦略の意図と今後の展開を聞く。 医療分野に強いというイメージがあります。現在は事業的にどのような環境でしょう。 当社は約1万3000の顧客を抱えていますが、医療関係はそのうちの1000くらい。1割にも満たない数ですが、売り上げで見れば3分の1が医療分野です。ただ病院の数自体が減少傾向にあり、一時は政府の補助金で需要が増えていた電子カルテ関連のシステムも、少し落ち着いた感じがあります。今、この分野で期待しているのは、「予防」にかかわるビジネスです。 ご存知のように、来年から「特定検診」が義務化され