そそっかしい女工作員 MI6真っ青の「大惨事」 2009年6月号 GLOBAL [グローバル・インサイド] by ゴードン・トーマス(インテリジェンス・ジャーナリスト) 英対外諜報機関MI6の女性工作員「T」(32歳)が、メモリースティックの紛失で大失態をしでかした。スティックには北米や南米から欧州に及ぶ年間500億ポンド(約7兆5千億円)規模の麻薬密輸網に関する情報と、情報提供者のリストが記録してあったのだ。コロンビアでの初任務に向かう途上で紛失、Tを任命した英重大組織犯罪対策機関(SOCA)の存在意義まで問われている。 Tは出発前に防諜機関MI5の元長官で現在はSOCAのスティーブン・ランダー会長から説明を受け、直属の上司であるMI6元工作員ポール・エバンスから直にメモリースティックを渡された。中身はMI6が過去5年にわたり収集したもので、SOCAと共有する情報に基づき、Tは情報提供者