長引くコロナ禍の夏休みに、家庭内のストレスは増大しています。親は、勉強せずサボっている子どもに対して、ついイライラして怒鳴ったりしてしまいがち。「これって毒親?」と思いながらも、自分の感情を抑えきれない……。コロナ禍でも心穏やかに子育てできる方法について、精神科医の井上智介さんがアドバイスします――。 子どもをコントロールしようとする「毒親」 毒親とは、一般的に「子どもの“毒”になる親」を略していいますが、過干渉になったり、暴力をふるったり暴言を吐いたりと、いろいろなパターンがあります。つまり、子どもを自分の思うようにコントロールしようとする親のことを毒親と呼ぶのだと、僕は理解しています。 実は僕のところにやってくる、いわゆる自己肯定感の低い大人の背景をひも解くと、幼少期の毒親の影響が根強く残っていることが多い。小さい頃の親子関係で心に深い傷を負って、大人になってからの考え方や行動パターン