わたしが『フロム・ヘル』英語版を買ったのは、ジョニー・デップ主演の映画『フロム・ヘル』が公開間近だったころ。シンガポールの紀伊國屋に原作となるぶ厚いグラフィック・ノベルが平積みになってました。アメリカじゃなくてイギリスから輸入された本で、シンガポールへの英語の本はイギリス経由なんだー、やっぱ旧宗主国だからかしら、なんて思いながら手に取りました。 (左が現在発売されてるアメリカ版、右がイギリス版。内容は同じですがお値段が違います) ただし原作者アラン・ムーアの複雑な構成は、わたしのつたない英語力ではなかなか手におえるようなものではありません。英語そのものも難解なうえに、文章は大量。アラン・ムーア作品は、絵だけ見ててもストーリーがわかる、というようなものでもないし。当時は読んだというより、ながめただけでした。 わたし、アラン・ムーア作品で邦訳が出る以前に原書を読みきったものといえば、セリフが少