Zinkevych/iStock 「情けは人の為ならず」ということわざがある。誤用されることも多いが、正しい意味は「人に情けをかければ(親切にすれば)、相手の為だけでなく、やがては良い報いとなって自分に戻ってくる」という意味だ。 イギリスの小説家、チャールズ・ディケンズはこんな言葉を残した。「この世に生きる価値のない人などいない。人は誰でも、誰かの重荷を軽くしてあげることができるからだ」 そしてこれらは本当のことだ。見返りを期待しないで他人のために善い行いをする、つまり利他的行為は、健康に良いということが科学的にも証明されたのだ。 【先行研究で明らかになっている利他的行為による心身への影響】 これまでの研究から、ボランティア活動など、誰か(何か)のために行動をすると、その思いやりの気持ちが、ドーパミンやオキシトシンなどの神経伝達物質の分泌を促し、気分が良くなってストレスが軽減され、不安が減