農林水産省の元事務次官が長男を殺害した罪に問われている事件の裁判で、検察は、「悲しい事件ではあるが、強い殺意による犯行で決して許されない」として懲役8年を求刑しました。一方、被告の弁護士は「いきさつや動機には同情の余地が大きい」として執行猶予のついた判決を求めました。 農林水産省の元事務次官、熊澤英昭被告(76)は、ことし6月、東京・練馬区の自宅で、長男の英一郎さん(44)を包丁で刺して殺害したとして、殺人の罪に問われ、起訴された内容を認めています。 東京地方裁判所で開かれた13日の裁判で、検察は「長男の将来を心配して親身に対応していたにもかかわらず、暴行を受けて大きく失望したことは理解でき、背景にさまざまな事情がある悲しい事件ではある。しかし、警察や専門家に相談する手段もあったがしておらず、首や胸を何度も刺すなど強い殺意による犯行で決して許されない」と述べ、懲役8年を求刑しました。 一方