イニエスタの勇気が、告白できない、したくない者へのプレッシャーとなってはならない(写真:Rodrigo Reyes Marin/アフロ) 前回の記事――『うつ病とサッカー イニエスタの場合』。名声も富もアスリートの強靭さも「鬱」を防げなかった――は多くの人に読んでもらった。鬱(うつ)を告白したイニエスタの勇気が病の理解に繋がれば幸いだ。 「告白」、「勇気」という言葉を使ったのはもちろん、タブーがあるからだ。 スペインには心理カウンセラーがあっちこっちにいて、鬱であることを疑い、あるいは鬱になってカウンセリングを経験した人は、私の知り合いにも大勢いる。割合で言えば、経験者の方が未経験者よりも多いくらいだ。だが、そんな国でもタブーであることは、イニエスタの発言が「勇気ある行為」として讃えられたことが、逆に証明している。 スポーツマンゆえ。隠すことの二重の苦しみ「男は涙を見せるな!」という嫌な言