西晋(せいしん、拼音: Xījìn)は、司馬炎によって建てられた中国の王朝(265年 - 316年)。成立期は中国北部と西南部を領する王朝であったが、呉を滅ぼして三国時代を完全に終焉させ、後漢末期以降分裂していた中国を約100年振りに再統一した。国号は単に晋だが、建康に遷都した後の政権(東晋)に対して西晋と呼ばれる。 晋の基礎を築いた司馬懿 司馬氏は河内郡の名族で秦の滅亡後に項羽や劉邦と共に活躍した殷王司馬卬の子孫を称し、後漢時代には既に歴代の郡の長官を輩出していた[1]。司馬防は後漢末期の争乱から台頭した曹操に接近して関係を持ち[1]、その長男の司馬朗は曹操の重臣として仕えた。司馬防の次男の司馬懿は208年の赤壁の戦いが発生した年から曹操に仕え、曹操の参謀、そしてその嫡子の曹丕の世話役として曹操の丞相府で地位を確立していく[1]。220年に曹操が死去すると司馬懿は丞相府の司馬としてその葬