【パリ=山口昌子】イタリアで29日から実施された地方選の決選投票が30日、開票され、ベルルスコーニ首相の出身地、北部のミラノ市長選で、首相が党首を務める中道右派「自由国民」系で現職のモラッティ氏が敗北した。お膝元での敗北で、首相の政治的立場は一層弱体化した。 勝利したのは、野党の中道左派候補のピサピア氏で、得票率は55.1%。モラッティ氏は44.9%で二桁の大差をつけられた。 ピサピア氏は同日夜、「われわれはミラノを解放した。これからは、ともに再建しよう」と勝利宣言した。 与党側の敗因としては、首相の数々のスキャンダルで与党内も対立、一枚岩でなかったことが挙げられている。