霞ヶ関の年中行事の中で、もっとも重要なものの一つに「概算要求」がある。これは各省庁が次年度に要求したい予算を財務省に提出するもので、毎年8月31日が〆切で、その日に要求額や内訳が発表される。ところが今年は、8月の総選挙で民主党が政権をとったため、31日に出された概算要求は凍結され、10月15日に再度提出されることになった。民主党が「無駄だらけの予算をゼロベースで見直す」と主張したためだ。 その再提出の期限が15日に来たが、締め切っても総額がわからない。「90兆円台前半」という推定を出しているメディアもあるが、「前半」というのは90兆円から95兆円までというアバウトな話だ。しかも当初、国土交通省は今年度の当初予算に比べて「1630億円削減した」と発表していたが、夜になって前原国交相が記者会見を開いて「削減額を7600億円に増やした」と発表するなど混乱が続き、結局、発表は翌日に延期された。 こ