2015年02月20日14:09 カテゴリ本 「頭がいい」とはどういうことか きのうの記事の続き。人類の進化においてコミュニケーションが重要だというのはよくわかっているが、従来は言語と結びつけて論じることが多かった。本書のような最近の研究では、言語は進化のかなり後の段階で発生したもので、類人猿との根本的な違いは協調性だという。 チンパンジーは人間によく似ているが、決定的に違うのは彼らがグループの中で競争はするが協調しないことだ。オスがメスを奪い合う場合も、勝ったオスがメスを独占し、負けたオスはそれに従う(子孫を残せない)。こういう力による支配関係で、定住するグループ内の平和が保たれている。 これに対して石器時代の人類は転々と移動したので、グループが流動的で支配関係は弱く、新しい危険に対応するために協力する機能が発達した。類人猿の脳は特定の機能にモジュール化されたハードウェアだが、人間に固有