名探偵が愛したカード&ボードゲームミステリー小説にはカード&ボードゲームが小道具として登場する作品が少なくありません。それはハードボイルドを代表するチャンドラーのあの名作にも! 探偵たちが愛したゲームとは? フィリップ・マーロウとチェス果てしなく続く狡知に長けた犯罪者との戦い。ミステリー小説では、探偵が戦いに疲れた頭脳をクールダウンさせるために(かどうかは定かではありませんが)ゲームに興じる姿を時たま見かけます。 ハードボイルドの代名詞ともいえる、探偵フィリップ・マーロウ。かの有名な『長いお別れ』(レイモンド・チャンドラー/清水俊二訳 早川書房)の中にはマーロウがチェスをプレイするシーンが出てきます。 私はチェスの駒をならべて、スタインニッツ(チェスの名人)を相手に“フレンチ防禦戦法”を試してみた。彼は四十四手で私を負かしたが、私は彼に二度汗をかかせた。 チェスの名人相手に冷や汗かかせると