「2012年の日中海戦」。こんな衝撃的なタイトルが米国の権威ある雑誌の電子版を飾った。尖閣諸島の領有権をめぐって対立が続く日中両国が「もしも尖閣沖で戦火を交えることになったら」という、仮想の筋書きだ。 軍備増強に力を入れる「軍事大国」中国と、平和憲法の下であくまで「専守防衛」に徹する自衛隊を組織する日本。両者を比較した米誌は、意外とも思える結論を導き出した。 旧ソ連軍のように中国軍は欠点を隠そうとする 国際情勢を扱う米「フォーリン・ポリシー」(FP)誌電子版に2012年8月20日付で掲載された日中の海上戦力にまつわる論文は、米・海軍大学校のジェームズ・ホルムズ准教授が執筆した。 日中による直接対決は「まずあり得ないシナリオ」と前置きするホルムズ准教授。中国が外交的に日本を孤立させるか、日本が「愚かにも」自ら孤立の道を選ぶかといった極端なケースにでもならなければ条件はそろわないし、万一衝突が