寝正月であることが察せられ、食事会に来ないか、と誘われた。 行くことにした。この時期、都心は、寺社やショッピング街を除けばけっこうがらんとしている。悪くないじゃないか。電車も比較的空いているだろう。そう思ったのだが、ハズレだった。 乗り慣れない路線なので、始発が出る駅で乗り換えて座った。ぼんやりしていると奇妙な疲労感に襲われて眠くなり、何とはなしに社内アナウンスを聞いていた。うつらうつらとした意識のなかで、あれは日本語か英語か、それともフランス語か。 20分もたってないだろう。隣からぐいと押された。見回すと車内は存外に混んでいた。 そして眼前に、セーターで覆われた大きなおなかがあった。 妊婦? 即座に思った。 反射的に立ち上がろうとしたとき、彼女の顔を見て、なんというのか、パズドラのボスキャラ、とか一瞬思った。 失礼。 何歳なのだろう、この女性。40歳はがちで越えている。 そして大きなお顔