今後、すべての国民は公的年金の給付減と、社会保障費の負担増というダブルパンチに見舞われることになる。そのダメージを大きく受けるのは、むしろ現在65歳以上の高齢者よりも、もっと下の世代だ。 高齢者は、納めた年金保険料より受給額が上回る、いわゆる「逃げ切り世代」である。受給額がマイナスとなる「逃げ切れない世代」に比べればまだマシだと言える。 本誌は “年金博士”こと社会保険労務士の北村庄吾氏の協力のもと、「逃げ切り世代」と「逃げ切れない世代」のボーダーラインがどこにあるのかを試算した。 試算条件は、「年収600万円の男性」をモデルとし、「厚生年金保険料の払い込み期間40年」、「保険料率は13.58%を四捨五入」するなど、可能な限りシンプルにした。その結果、ボーダーラインは60歳だと判明した。北村氏が言う。 「受給開始年齢65歳から80歳までの、受給額と払い込み保険料との差額を試算すると、195