「わたしは日本を知っている」と公言していたルグエン監督にとっては衝撃的な敗戦ではなかったか。 2年前も、彼の率いたチームは日本に敗れている。だが、南アフリカで日本に敗れたカメルーンは、言ってみれば“負けただけ”だった。内容で劣勢だったわけでもなく、個々の能力で圧倒されたわけでもない。はっきりいえばどちらの出来も低調で、当事者以外には退屈でしかない90分。日本にはラッキーボーイがいてカメルーンにはいなかった――それだけの試合だった。 今回の敗戦はまるで違った。たとえどれほどの幸運に恵まれようとも、オマーンの勝ち目はまったくなかった。おそらく、ルグエン監督だけでなく、すべてのオマーン選手が「これは何度戦っても勝てる相手ではない」との思いをたたき込まれたことだろう。 それぐらい、この日の日本は強かった。日本サッカー史上初めて、日本人以外にも魅力を感じてもらえるチームになりつつある、と言って