巣穴のアメリカクロクマ=サイエンス提供、アラスカ大フェアバンクス校 冬眠中のクマは、エネルギー消費などの代謝を4分の1に落とした「省エネモード」で過ごしていることが分かった。体温は6度ほどしか下げておらず、代謝を半減するには10度下げるという通説を覆した。米アラスカ大などのチームが、18日の米科学誌サイエンスに発表した。 研究チームは、オスとメスの計5頭のクロクマに発信器を埋め込み、体温や心拍、筋肉の活動を記録して代謝機能を測定。巣穴に赤外線カメラを設置して冬眠期間の5カ月間、観察した。 この結果、体温は30〜36度の間で、数日間隔で周期的に上下しており、低くなると体をふるわせて上昇させていた。心拍数は通常の1分間に55回程度を最低で9回にするなどで代謝を下げていた。 研究チームは「体温をあまり下げず代謝を抑える仕組みを人間に応用できれば、発作後の救急医療や宇宙旅行の人工冬眠にも役