『若者よマルクスを読もうII』 が7日に書店に並ぶので、販促のために「まえがき」を掲げておきます。おもしろい本ですよ。買ってね。 みなさん、こんにちは。内田樹です。 『若者よマルクスを読もうII』は石川康宏先生と僕の同名の共著の続編です。このシリーズの企図はオリジナルの「まえがき」にも、本書に収録した『韓国語版への序文』にも書いてあります。若い人たちにひとりでも多くマルクスを読んで欲しい。それが著者ふたりの素朴な思いです。 今、若い人たちはもうマルクスを読みません(日本だけでなく、世界中がそうです)。若い人に限られない。もう誰もマルクスを読まない。僕たちはこの否定的な現実から出発しなければならないと思います。でも、なぜ誰もマルクスを読まなくなってしまったのか? 超大国アメリカの人たちは1950年代なかば、マッカーシズムの時代に「マルクスを読む」という知的習慣を国民的規模で放棄しました。「私