<厚生労働省の調査では貧困と健康問題の間に明らかな関連性が認められているのに、「自己責任」の風潮が強い日本では公的対策が必要だという認識が低い> 厚生労働省は毎年、「国民健康・栄養調査」を実施している。国民の健康や生活習慣の実態を調べるためのものだが、2014年の調査で世帯年収と健康との関連が明らかになった。 この調査でわかったのは、「所得の低い世帯では、所得の高い世帯と比較して、穀類の摂取量が多く野菜類や肉類の摂取量が少ない。習慣的に喫煙している者の割合が高い。健診の未受信者の割合が高い。歯の本数が20歯未満の者の割合が高い」などの傾向だ(厚生労働省)。 成人男性のデータで具体的な数値を示すと、以下の<表1>のようになる。 上記の通りだが、肥満者の割合の差も大きい。世帯所得600万円以上の世帯では25.6%しかいないが、200万円未満の世帯では4割近くもいる。カップ麺やスナック菓子などの