船橋:具体的には大学のどのようなところに失望されたのでしょうか。 三浦:基本的にはそれほど自由がないところと、求める人材に多様性が欠けているところですね。機関のトップに立つ人のキャラクターでその都度変わるので、一概には言えませんが。センターで言えば、官僚機構との距離が近くなる場合もあれば、アカデミズムよりの国際会議開催などの活動が中心になるときもありました。半官半民の政府のシンクタンク的なものを目指しているのではないかという印象を受けました。 官や民からの資金を大量に受け入れれば独立性は低くなる。その一方で、マスマーケットで勝負するという感覚はありません。独立性を保つためにはほぼ知識人としての矜持に頼らざるを得ないわけです。それも大事なことなのですが、であればシニョリティ・ルールを弱める必要があります。 大学ほど身分格差を感じるところはそうそうありません。官僚機構でさえ「議論するときは同期